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Intent Exchange株式会社

事業内容

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事業内容

Intent Exchange株式会社は、AI技術を活用して事業者間の交渉・調整を支援する企業です。今後普及が見込まれる自律モビリティの管制システムを構築しています。ドローン管制については、2025年に始まる航空局による認定制度において、認定事業者となるべく国際標準の導入を主導しています。

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Intent Exchange株式会社

Intent Exchange株式会社は、自動交渉AI(人工知能)を活用したドローンの分散型運航管理システムの開発を行う企業。 同社は、ドローンの分散型運航管理システムに、自動交渉AIを適用し、複数の機体・運航者間の経路調整を行えるサービスを開発する。実証実験では、自動交渉AIが急な飛行計画の変更があっても、運航者間で瞬時に調整し、安全に運航できたという。今後、さまざまな用途で飛行台数が増えるとされるドローンに対し、同社の運航管理システムが活用できるという。

ドローン運航の調整支援をAIで実現

本日はどうぞよろしくお願いします。

よろしくお願いします。

簡単に御社の事業内容を教えていただけますか?

はい。私たちの会社は、交渉や調整の技術を用いて、社会の中での様々な事業者間のコンフリクト(衝突、対立)を解消し、効率性を追求することを目指しています。具体的には、ドローンを始めとするモビリティの自動運転技術を開発しています。例えば、ドローンが飛行する際に、飛行計画を立ててお互いに譲り合うような協調的な社会を作り出すことを目指しています。

具体的にどのような技術やシステムを開発されているのですか?

現在は、ドローンの飛行計画を管理する情報システムを開発しています。ドローンが飛び交う際に、安全に運航できるように標準プロトコルを作成し、国際標準に合わせて調整しています。また、ドローンをどこに飛ばすと、万一、地上に墜落しても人や物への影響が少ないかを分析するシステムも提供しています。

そのシステムは、具体的にはどのような企業や業界で導入されていますか?

モビリティ関連の企業や、将来的には航空管制システムに導入される予定です。2025年には、ドローンの運航管理サービスプロバイダが国交省に認定され、ゆくゆくドローン運航者は、そのプロバイダーのサービスを受けながら運航することになるので、その基盤を整えています。アメリカでは、試験的にではありますが、既に通信キャリアのように複数のプロバイダがサービスを提供しており、そのモデルを日本に導入することを目指しています。

なるほど。その国際標準のプロトコルを日本に導入するために、どのような取り組みをされていますか?

国際的な業界団体のボードメンバーとして、海外で普及している技術標準を日本に持ち込み、日本の認定制度に反映させる活動を行っています。日本国内だけでなく、海外とも連携して技術・システムを開発しており、日本の法制度にも適応させるよう努力しています。

ありがとうございます。少しお話を整理させて頂きたいのですが、例えば携帯電話で言うところの、docomoやauのような感じのサービスプロバイダが今後、ドローンの運航管理のプロバイダとして日本に現れるのでしょうか?また、海外の企業も進出してくるのでしょうか?

はい、それが海外から入ってきてもいいし、日本が立ち上げてもいいし、というのが私たちの考えです。競争はやっぱり必要で、日本の会社が全部取るべきというわけではなく、国際標準にしないといけません。海外も参加すべきですし、日本も海外に進出するべきです。基本的な貿易や国際貿易の考え方に基づいて、外資も協力してくれます。例えば、私たちの競合会社が日本に進出したい場合、情報を提供して日本の法制度に合わせて展開することが重要です。

航空の安全性についてはどうお考えですか?

航空の安全性は各国でバラバラではあり得ないです。例えば、安全性を示すための数式や、どれくらいの確率でドローンと他の物体が衝突するかなどは、数学的な証明をもとにしています。それが各国で違うというのはあり得ません。グローバルに標準化し、全体で安全性を確保する必要があります。その考え方を早めに日本に持ってくることが重要です。

なるほど。分かりやすいご説明をありがとうございます。
次の質問ですが、なぜ現在の事業を始めようと思ったのですか?ドローン管理に限らず、コンフリクトを防ぐというようなアイデアがどのようにしてスタートしたのか教えていただけますか?

私は元々ネットワークやコンピュータの分野で働いていました。その後、その分野での経験を活かし、交渉や調整の技術に興味を持つようになりました。ネットワークやコンピュータは一度標準化してしまえば大量に売れるのに対し、一般のAI技術は、業界ごとに作っても、導入先は一社二社で終わってしまうことが多くあります。
しかし、AIも、ネットワークのように広がりを持ち、加速度的に適用先が増える事業を目指したいと考えました。そこで、人と人、企業と企業の間を結ぶAIとして、交渉AIや調整の技術に注目しました。

具体的にはどのようなアイデアからスタートしたのですか?

交渉や調整のAIを研究開発しつつ、それを導入する企業間、ユーザ間で交渉プロトコルを標準化するというアイデアが出発点です。具体的には、交渉や調整の技術を用いて自動運転やドローン管理の分野に適用しました。自動運転やドローンは、将来的に大きな広がりを持つと考えています。

なるほど。それで現在の事業を始めることにしたのですね。

そうです。まずは、ドローン運航管理の分野への適用を優先し、国際標準や業界団体のリーダーとして、グローバルな視点で技術を開発し、日本への導入を進めています。航空管制という、調整が先行的に導入されているモビリティ分野で実績を作り、その技術体系を、自動運転に適用しようと考えています。

ありがとうございます。次は、会社の将来のビジョンについてお聞きしたいのですが、会社が将来どこに到達したいか、また今後狙っていきたいことなど、ビジョンがあれば教えてください。

最近の取り組みとして、まず航空局認定事業者として運航管理サービスプロバイダになることを目指しています。これはドローン運航者が飛ばすたくさんのドローンの飛行計画を精緻に管理することが求められるようになるためです。現在でも、ドローン運航者は、航空局が持つDIPSというシステムに飛行計画を登録することになっています。しかしながら、精緻な管理がされていません。国際標準では、各運航者には飛行計画に基づき、飛行中の監視や調整など精緻な管理が行われることが求められています。これを公的なサービスとして集中的に行うのは難しく、民間がサービスとして提供した方がサービス品質もよくなり、競争も促されてコストも下がるだろう、というのが国際的な考え方です。
例えば、アメリカでは試験的にですが、いくつかのサービスプロバイダが併存し、違いに競争しながらドローン運航管理を行っている状況になっています。日本でも同様に、公的なサービスではなく、このような競争環境の導入が必要だと考えています。

具体的にはどのような形で進めていくのでしょうか?

個人や企業がドローンを飛ばす際に、事前に飛行計画を作成するのですが、その情報を運航管理サービスプロバイダが、他の運航管理サービスプロバイダに共有し、適宜調整します。例えば、休日に家族でドローン撮影をする場合でも、利用しているサービスプロバイダが裏で空間を予約します。こうすることで、他のドローンとぶつかることなく安全に飛ばすことができます。
また、ナビゲーションシステムのように、最適な飛行ルートを提案する仕組みを導入し、事故を防ぐことも目指しています。このように、見かけ上はカーナビのようなサービスを提供している企業に見えると思います。

なるほど。個人利用でも企業利用でも安全にドローンを運用できるようにするわけですね。

そうです。個人や企業のドローン利用者がぶつからないように調整し、より安全で効率的な運用を実現することが私たちのビジョンです。

次は個人的な質問です。幼少期はどんなお子さんだったのか、また、夢や目標があれば教えてください。

私は幼少期から負けず嫌いで、中学からは陸上競技の長距離をやっていました。実は、COOの西村とは大学時代も知り合いで、東大と京大の対校戦で競い合っていました。また、100キロメートルのウルトラマラソンなどに参加し、海外の大会にも出場しました。実は、日本選手権となっているサロマ湖の大会で入賞して世界選手権に出場させて頂き、2012年にはその世界選手権で優勝しました。

それはすごいですね!他に好きなことはありましたか?

長距離を走る以外にも、歴史が好きでした。特に世界の歴史に興味がありました。高校生の時には、歴史の研究をしたいと思っていましたが、先生からは「食えないからやめておけ」と言われました。理系の勉強をしながらも、世界史の文献を読み漁り、センター試験でも満点を取るほど世界史は大好きでした。

歴史のどんなところがお好きなのですか?

歴史の裏には、教科書には載っていない人間臭い理由や物語があるところが好きです。例えば、イギリスの王様が宗教を変えた背景には個人的な理由があったりします。そういう人間臭い実話を知るのが楽しいです。また、歴史を通して社会の仕組みや人間関係を考えるのも好きです。

なるほど。歴史の物語に魅了されるわけですね。

そうですね。小学校の図書館でたくさんの伝記を読んで、中学では中国の歴史、特に秦の始皇帝や春秋戦国時代に興味を持ちました。その後、高校、大学でヨーロッパの歴史にも興味を広げました。特にフランス革命などの思想的な大きな変革には強い関心を持ちました。

幕末やフランス革命などの大きな変革にご興味をもたれていたのですね。

はい。これまでの権力構造を変えるための思想的な戦いに興味を持ちました。領土を広げるための戦いではなく、国の在り方を変えるための戦いです。そのために血を流した時代がどのようなものだったのか、考えるのが好きです。

非常に興味深いお話をありがとうございます。
では次の質問ですが、今のご自分に繋がっている経験や実体験があれば教えてください。例えば恩師がいたから今の道に進んだとか、ターニングポイントになった出来事などがあればお聞かせください。

大学三年の終わりに、あるIT企業の企画で、シリコンバレーの様々な大企業やスタートアップを訪問し、取材するという経験をしました。これが大きなターニングポイントでした。その時に、例えば、イーロン・マスクが創設したX.comという小さなオフィスを訪れたりしました。
これに触発され、大学四年生の時にスタートアップでインターンをして、ネットワーク技術に触れました。その時、「次は光ファイバー」と思い、大学院では光ファイバーの研究をしたものの、在学中から既に光ファイバーが普及し始め、もう研究しても新事業にならないと挫折し、まずはソフト分野の研究をしようとNECの研究所に入りました。
もう一つのターニングポイントは、UCバークレーへの留学です。NECから客員研究員として留学して、そこで多くの優秀な人々と出会い、刺激を受けました。インドや中国など世界中から集まってくる人々のアイデアや熱意に触れ、自分ももっと頑張らなければと思いました。ちなみに、当時の研究室のメンバーは研究室で作っていた技術をもとに創業し、今は未上場で時価総額6兆円の企業になっています。

シリコンバレーの経験や留学が今の仕事にどのように影響していますか?

シリコンバレーでの経験から、技術の広がりや社会の変化に対する敏感さを学びました。また、留学中に出会った多くの起業家たちから、根本的なアイデアの違いや新しい視点を持つことの重要性を学びました。これらの経験が今の仕事の基盤となっています。

他にも影響を受けた出来事はありますか?

大学時代の陸上競技も大きな影響を与えました。特に長距離を走ることで得られた集中力や忍耐力は、今の仕事にも役立っています。また歴史に対する興味も、現在のプロジェクトを進める上での洞察力を養っています。

ありがとうございます。それでは最後に、東大前 HiRAKU GATEに期待することは何かお聞かせ頂けますか?

東大前 HiRAKU GATEに期待することは、まず東大に近い立地を活かして、学生さんや研究室とのコネクションを深める拠点にすることです。これは非常に重要だと思います。
また、スタートアップ企業との人材交流や新しいきっかけを作る場としても期待しています。先日、VCが主催する研修に参加させていただきましたが、他のスタートアップ企業との交流が非常に刺激的でした。こうした交流を通じて、私たちも頑張っていきたいと思っています。
さらに、出版の会社としての役割も重要です。書籍を通じて成功するための知識や次世代へのメッセージを広めることができます。特に子供たちにとっては書籍が知識の入り口になるので、良い内容のものを提供することが大切だと考えています。

具体的にどのようなことを期待していますか?

シリコンバレーのように、スタートアップが集まるエリアとしての役割を期待しています。スタートアップ同士がインフラやサービスを共有し、横のつながりを持つことで、新しいアイデアやビジネスが生まれる場になるといいですね。またウェブやソフトウェアを活用して、テレワークではできないような直接の交流を促進することも重要です。
例えば、飲み会や偶然の出会いから新しいプロジェクトが生まれることもあるでしょう。大企業のように人材を紹介し合うような文化がスタートアップの中でも自然に生まれると、非常に良い影響を与えると思います。

なるほど。多くの可能性が期待できる場所ですね。

そうですね。偶然の出会いを意図的に作り出す場として、東大前 HiRAKU GATEが非常に重要な役割を果たすと期待しています。これが次の大きなビジネスチャンスにつながるといいですね。

ありがとうございました。非常に興味深いお話でした。
最後に、他に伝えておきたいことはありますか?

はい、いくつかあります。まず、オフィスとしての機能を強化することが重要です。例えば、人々が自然と集まり、交流できる場所を作ることです。過去には喫煙所などがその役割を果たしていましたが、今はそうした触れ合いの場が少なくなっていると感じます。
東大前 HiRAKU GATEに来る人たちが気軽に交流できるような仕掛けが必要です。例えば、リアルとバーチャルの両方で誰がどこにいるのかが分かるシステムを作ると良いでしょう。バーチャルオフィスのアプリを導入し、誰がログインしているかが分かれば、自然な交流が生まれやすくなります。
また、既存のアイデアでは自動販売機のものがあります。社長の奢りで飲み物を提供する仕組みが既存のアイデアですが、これを流用して東大前HiRAKU GATE内の違う会社の人たちが交流できるようにするのも面白いと思います。これにより、企業間の新しいサービスや技術のアイデアが生まれることが期待できます。

非常に興味深いアイデアですね。具体的にはどのように実現することを考えていますか?

例えば、アプリを通じてリアルタイムで誰がどこにいるのかを確認できる仕組みを作ります。そして、その場で情報交換や相談ができるようにするのです。また、定期的にイベントや交流会を開催し、スタートアップ同士が意図的に交流する機会を設けることも重要です。

そのような取り組みが実現すれば、非常に活気のある場所になりますね。

そうですね。偶然の出会いを意図的に作り出す場として、東大前 HiRAKU GATEが非常に重要な役割を果たすと期待しています。これが次の大きなビジネスチャンスにつながると良いですね。

ありがとうございました。非常に興味深いお話でした。

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