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株式会社Octa Robotics

事業内容

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事業内容

Octa Roboticsは、ロボットとビルをつなぐインフラを提供し、ロボットの社会実装を促し、社会課題を解決します。
サービスロボットにとっての障壁であるエレベーター等の建物設備と、ロボットの連携を可能にすることで、ロボットが建物内を自由に移動できるようになります。Octa Roboticsは、ロボットをあたりまえのインフラに育て、ロボットフレンドリーな社会の実現に貢献します。

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Co-Founder / COO

前川 幸士

法政大学工学部卒業、修士(学術)。三和銀行(現三菱UFJ銀行)、複数ITベンチャー企業にて新規事業推進に従事。新規事業開発・推進、アライアンス担当。

ロボットの障壁を取り除き社会課題を解決

本日はどうぞよろしくお願いいたします。まず最初の質問ですが、貴社はどんな事業を行っているのか、簡単にお教え頂けますか?

弊社は、主力事業の1つとして、エレベーター、自動ドア、ロボットの種類を問わずマルチベンダーでの連携を可能にする、ロボットフレンドリー施設推進機構が発行した規格に準じた通信サービス「LCI」を開発し提供しています。
ロボットが清掃や警備、配送といった業務をこなすには、ロボットが自分で移動して、清掃したり警備で見回ったり何かを届けたりするため、建物の中を縦横無尽に自由に動けなくてはいけません。例えば、ロボットがエレベーターを使って階を移動したり、ドアを開けて別のエリアに出入りしたりします。そのためにはロボットにとって「縦の障壁」となるエレベータや、「横の障壁」となる自動ドアなどと連携するために通信する必要があります。
LCIは、エレベーター、自動ドア、ロボットの種類を問わずマルチベンダーでの連携を可能にする通信サービスです。我々は、LCIがサービスロボットの生産性向上に必要不可欠なインフラサービスであると確信し、開発と普及に取り組んで参りました。既に大手ディベロッパーへの導入実績や多数のロボット等との連携実績があり、更に広く普及を目指しています。

なぜ今の事業を始めようと思ったのですか?きっかけ等があれば教えてください。

LCIを開発した背景には、現在、少子高齢化による労働力不足により清掃・警備・配送等のサービスロボットの普及が拡大している一方で、建物内にはエレベーターや階段等の「縦の障壁」、自動ドアやセキュリティーゲート等の「横の障壁」があり、自律移動型サービスロボットの能力を最大限に活かせていない、という解決すべき社会課題があります。
私と共同創業者の鍋嶌は、かつて同じロボットメーカーに勤務しており、清掃ロボットなどの開発に携わっていました。当時、清掃ロボットをエレベーターに乗せたい、というご要望を多くのお客様からいただいていました。従来より、ロボットとエレベーター・自動ドアが連携した事例はありましたが、建物ごとにフルカスタマイズが必要となり、費用が高額になるために技術の横展開が困難であるなど、本格的な普及を阻んでいました。つまり、ある建物で設備とロボットを連携しようとした場合、ロボット側も設備側もカスタマイズの開発が必要となりコストも時間もかかる上に、ベンダーロックになってしまう、ということです。
一方、鍋嶌は、当時から経産省と一緒にサービスロボットのルールメイキングを十数年にわたって行っている、標準化のスペシャリストでもありました。その中で、ロボットとエレベーター、セキュリティの連携に関するルール作りも進めていて、作ったルールを製品に生かして、みんなが安心して使えるインターフェースサービスを提供する必要があると考えていました。
こうしたメーカー側と施設側双方のニーズの高まりに対し、我々がこのニーズに応える形でマルチベンダー方式のサービスを提供しよう、ということになりました。

貴社が独自に開発提供されている、ロボット・建物設備間連携に特化したマルチベンダー型のインターフェースサービス「LCI」を導入したいビルがあった場合、そのビル全体に導入するようなイメージですか?

導入したい建物において、ロボットが活動する範囲や動線上に含まれるエレベーターや自動ドアに導入することをお勧めしています。特定のエレベーター1機や自動ドア1箇所から導入は可能ですが、ロボットがサービスを提供したいエリア内の全ての障壁を取り除くことが、そのロボットの生産性を向上させることに繋がります。どのようなサービスロボットをどこでどのように稼働させたいか、などの状況にもよりますので、まずはご相談をいただき、詳しくお話を伺った上で弊社から最適な導入プランを提案させていただいています。
サービスロボットを導入するお客様の視点から見たLCI導入の利点は、従来、様々な阻害要因があったサービスロボットと施設・設備との連携を容易にし、カスタマイズなしに様々なサービスロボットを運用することが可能となり、その能力を最大限に活用することができるようになる点です。その結果、ビルの管理コスト削減やサービス向上が期待できます。
サービスロボットを導入することで少人化・品質の安定を目指すニーズの拡大に伴い、お陰様で大変ありがたいことに、LCIへの問い合わせが増加しています。

会社の将来のビジョンについて教えていただけますか?
直近の目標でも良いですし、遠い未来のビジョンがあればぜひお聞かせください。

私たちのビジョンは、ロボットと社会をつなぐハブとなり新しい社会基盤を創る、ということです。つまり、ロボットのインフラを整え、ロボットが社会に溶け込む世界を作ることです。そして、人間のオペレーションをサポートし、その先に、「ロボットをあたりまえのインフラに」という新しい世界観を作り上げていきたい、と考えています。
ロボットが自由に動ける環境を整えたら、次に重要なのは人との連携です。ロボットがサービスを提供する時代は間違いなく来ますが、その時には人との接点が非常に重要になります。例えば、若い人だけでなく、シニアの方や子供たちもロボットと接触することがあるでしょう。どうやってインターフェースを作るかが課題です。
このような課題を解決することで、ロボットが日常のインフラとして定着する世界を目指しています。その過程で生じる新たな問題を解決し続けていきたいと思っています。大きな社会課題として人手不足や少子高齢化は避けられない問題ですが、それをどう解決するかの一つの方法がロボットの活用だと考えています。

夢や目標について教えていただけますか?

我々二人に共通しているのは、社会的課題を解決したいという強い思いです。特にロボットというのはまだまだ発展途上で、今がちょうどいいタイミングだと思います。産業ロボットは進んでいますが、これからサービスロボットが世の中に広がる時期です。私たちが今までやってきたことが役に立てばいいなと思っています。
私たちの夢は、次の世代や新しい世界観を作り出すためのきっかけを提供することです。ロボットが自由に動き回る世界はもう少し時間がかかりそうですが、その基盤を作り、アイデアを引き出すきっかけを提供できればと思っています。ロボットが人類社会に調和し新しい世界を作り出すために、皆さんと一緒にその基盤を築き、そのルールや仕組みを次の世代に受け継いでいけるようにしたいです。
私は、自分たちも楽しみながら新しい世界を作ることが大切だと思っています。特に、一緒に働くメンバーやお客様にも、新しい世界観で役に立てることを楽しんでもらえるようにしたいです。自分たちが楽しめることがまず重要で、その楽しさをフォローしながら新しい世界を作っていく、というのが目標です。

ターニングポイントについてお伺いします。ロボット分野へ興味を持たれる前の、ソフトウェアのツールを作っていた頃、どんなことを感じておられたのでしょうか。

ソフトウェアのツールは人が使うものなので、その使い方や使いこなし方はやはり人次第です。そこで感じたのは、人を育てる教育の重要性です。
ユーザーがツールを適切に使いこなすためには教育が必要で、それはロボットにも当てはまります。鍋嶌も今、ロボットのルールやロボットフレンドリーの定義について教育の必要性を感じています。
我々は、以前、ロボット雑誌『日経ロボティクス』に連載を持っていて、そこでロボットフレンドリーの概念を広めていました。こういった情報を共有することで、新しいアイデアや議論が生まれることを期待しています。(参考URL:https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00014/
鍋嶌が標準化会議初代議長を務めている一般社団法人 ロボットフレンドリー施設推進機構(RFA:Robot Friendly Asset Promotion Association)という組織も、オープンな情報共有をテーマにしています。私たちが行っていることをみんなに伝え、新しいことに挑戦してもらうことで、共通の知見が増えていくと思っています。そういったオープンなイノベーションの場を作り、フィードバックを受けることで、さらにサービスを改善していくことが大切だと思っています。教育や情報共有はそのために必要だと感じています。

今後、東大前 HiRAKU GATEに期待することは何ですか?

まず、感謝申し上げたいです。我々のようなスタートアップにとって、東大前 HiRAKU GATEのような素晴らしい場所を提供していただけることは、本当にありがたいことです。廣瀬さんの想いにも大変感謝しています。
(※株式会社HiRAKU 代表取締役 廣瀬俊朗)
ここに集まっている人たちは、新しい世界観を作るために志を持ったメンバーで、彼らと一緒に素晴らしい施設で仕事ができることはとてもありがたいです。次に挑戦できる環境を提供していただけることにも感謝しています。
私たちとしては、事業をもっと加速させて、東大前 HiRAKU GATEに対しても何かしらの形で恩返しができるようになりたいです。これからもどんどん新しいことに挑戦して、みんなで大きく成長していきたいですし、そのために皆さんとのご縁を大切にしながら、貢献できることを考えていきたいと思います。

本日は貴重なお話をたくさん聞かせていただき、ありがとうございました。

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